カテゴリー: 貯金ゼロからの再出発

貯金ゼロ・中卒から父親になった僕が、月2万円の貯金から人生を立て直していった実体験の記録。お金と向き合い、家族を守ると決めた男の再出発ストーリー。

  • ありがとうございました![番外編]未来の自分へ、息子へ、そして読者へ

    きれいなことは言えないけれど、

    ひとつ思うことがある。

    投資を始める前に、

    少しだけでいいから勉強はしておいた方がいいと思う。

    仕組みを知るだけで、

    怖さはだいぶ変わる。

    そしてまずは、

    生活防衛資金を確保すること。

    余剰資金でやる。

    これが安心して続けるための土台だと思う。

    もし余裕がなければ、

    先に貯金からでいい。

    初めは投資額は大きくなくていい。

    月1万円でもいいし、

    1000円でもいい。

    100円でもいいと思う。

    大事なのは、

    相場に触れてみること。

    100円でも積んでみると、

    経済が少し身近になる。

    ニュースが他人事じゃなくなる。

    増えたり、減ったり。

    その感覚を知ることが、

    最初の一歩なんだと思う。

    そこから自然と、

    支出管理を意識するようになる。

    「もう少し積めないかな」

    「この支出は必要かな?」

    「これは削っても大丈夫かな」

    手数料、コンビニ、割高な物や場所。

    そんなところに目が向くようになる。

    一番大きいのは、固定費の見直しだと思う。

    僕はそうだった。

    だから、

    できるなら早めに触れてみるのは

    悪くない選択だと思う。

    それともう一つ。

    お金は守る意識も大事だ。

    うまい話は、

    だいたい向こうからやってくる。

    「楽に儲かる」

    「これだけで大丈夫」

    そういう言葉には、

    少し距離を置くくらいでちょうどいいと思う。

    僕は、自分から調べたもの以外は

    一度立ち止まるようにしている。

    疑うというより、

    慎重になる、という感覚だ。

    SNSやDMも同じ。

    自分からアプローチしていないものは、

    必ず一度、自分の頭で考えるようにしている。

    住む場所や固定費も、

    思っている以上に大きい。

    職場に近いだけで、

    時間もお金も守れることがある。

    派手じゃないけれど、

    こういう積み重ねが効いてくる気がする。

    そして。

    できるなら、

    「最後どうなっていたいか」を

    一度考えてみるのもいいと思う。

    終わりを思い描くと、

    今どのあたりにいるのかが少し見えてくる。

    逆算できると、

    迷いが減ることがある。

    最後に。

    一番の資本は、自分自身だと思う。

    投資も大事だけれど、

    自分を磨くことの方が、

    長い目で見ると大きい。

    本を読むこと。

    学ぶこと。

    挑戦すること。

    自己研鑽。

    正直に言えば、

    お金が増えることよりも、

    昨日の自分より少しでも前に進めた日のほうが、

    僕はうれしい。

    僕もまだ途中だ。

    迷うこともあるし、

    不安になることもある。

    それでも、

    止まらずに積み上げている。

    もしこの文章を読んでくれたあなたが、

    ほんの少しでも

    「やってみようかな」と思えたなら、

    それだけで、

    このシリーズを書いた意味がある。

    大きなことじゃなくていい。

    今日、100円でもいい。

    未来の自分のために、

    小さな一歩を。

    一緒に、

    ゆっくり積み上げていこう。

  • [第17話]未熟でも、やめなかった。7年積み上げたリアルを全部さらす

    これが、今のリアルだ。

    きれいな話はしない。

    勝った話だけもしない。

    失敗も、迷いも、売った株も全部出す。

    7年前、

    投資信託を始めた。

    全世界株式。

    積み立て。

    NISAも使った。

    派手さはない。

    でも、続けた。

    相場が下がっても、

    ニュースが騒いでも、

    淡々と積み上げた。

    結果はどうなったか。

    倍以上になった。

    現在は毎月10万円を積み立てている。

    楽天カード決済。

    ジュニアNISAもフル活用。

    でも、

    ここまで一直線じゃない。

    最初に大きく持ったのは、

    ソフトバンク1000株。

    半年に一度、

    税引前43,000円の配当。

    あの体験は大きかった。

    でも、

    売った。

    未熟だった。

    コロナ禍で含み損が続いた。

    心が削られた。

    配当も含めて最終的に約8万円のプラス。

    それでも、

    握り切れなかった。

    恐怖に耐えきれなかった。

    オリックスも1000株。

    含み益は約35万円。

    でも、

    利益が消える怖さに勝てなかった。

    未熟だった。

    900株売却。

    握り続ける力がなかった。

    ヤマダ電機は優待目的。

    でも、

    優待が改悪された。

    そこで気づいた。

    自分の投資シナリオが崩れた。

    だから売った。

    これは逃げじゃない。

    修正だ。

    兼松エレクトロニクス。

    セントケア・ホールディングス。

    サムティ。

    可愛い銘柄たちは、

    TOBで去っていった。

    勝ちもあれば、

    未熟さもある。

    それが現実だ。

    僕は7年前に始めた。

    親にも言った。

    「積立NISAを使え」

    「全世界でもS&P500でもいい」

    でも、

    親は今も言う。

    「私たちはもう遅い」

    銀行で聞いた、

    NISAで損した人の話。

    それが怖くて止まっている。

    でも、

    7年は平等だった。

    僕にも、

    親にも。

    違ったのは、

    完璧だったかどうかじゃない。

    未熟でも、

    始めたかどうかだ。

    投資は、

    魔法じゃない。

    確実でもない。

    でも、

    続ければ景色は変わる。

    7年で学んだこと。

    ・未熟でもいいから始める

    ・恐怖に負ける日もある

    ・でも市場から退場しない

    ・時間を味方にする

    そして、

    怖くても戻ってくる。

    それが一番大事だった。

    今の資産額。

    スクショも出す。

    ごまかさない。

    盛らない。

    削らない。

    これが、

    僕の7年のリアルだ。

    完璧じゃない。

    何度もブレた。

    でも、

    やめなかった。

    それだけだ。

    このシリーズは、

    6000万円までの資産形成の途中経過。

    まだ道の途中。

    でも、

    確実に前に進んでいる。

    もし読んでいる誰かがいるなら、

    伝えたいことは一つ。

    遅いんじゃない。

    完璧じゃないだけだ。

    未熟でもいい。

    怖くてもいい。

    市場にい続けろ。

    未来は、

    待つものじゃない。

    積み上げるものだ。

    僕はこれからも、

    積み上げる。

    息子たちにも背中を見せる。

    成功じゃなく、

    姿勢を。

    これで、

    第1章は終わり。

    でも、

    積み上げは終わらない。

    今まで積み上げた資産6000万のリアル

    Screenshot

    これは投資信託の一部。

    個別株、現金、土地は別で保有している。

    息子2人分。

    ジュニアNISAをロールオーバーして継続している。

    評価額はその時点の数字で、触る予定はない。

    Screenshot

    毎月10万円。

    上がっても、下がっても、変えない。

    ここまで読んでくれて、ありがとうございました。

    6000万円と聞くと、大きく見えるかもしれない。

    でも、特別なことはしていない。

    生活を整えて、

    守るお金を決めて、

    毎月積み立てただけ。

    遠回りもあったし、迷いもあった。

    それでも、止まらなかった。

    この記録が、

    誰かの小さなきっかけになればうれしい。

    続きは、番外編で。

  • [第16話]遅いんじゃない。やらなかっただけだ。配当金43,000円が教えてくれたこと

    最初に、

    本当にお金が入ってきた日。

    ソフトバンクを1000株持っていた頃。

    半年に一度、

    税引前43,000円。

    画面の評価益じゃない。

    含み益でもない。

    本当に、

    口座に入ってきた。

    何もしていない。

    働いてもいない。

    売ってもいない。

    それなのに、

    43,000円が振り込まれていた。

    あの瞬間、

    背中がゾクッとした。

    「あ、これ本物だ」

    投資が、

    “数字遊び”から“仕組み”に変わった日。

    お金は、

    ちゃんと働く。

    初めて腹の底で理解した。

    親は昔から言っていた。

    「投資をしろ」

    でもやり方は、

    当たるかどうか。

    上がるかどうか。

    どこか勝負。

    どこかギャンブル。

    僕は7年前、

    投資信託を始めた。

    全世界株式でもいい。

    S&P500でもいい。

    とにかく積み立てろ。

    NISAを使え。

    時間を味方にしろ。

    何度も言った。

    でも返ってくる言葉は同じ。

    「私たちにはもう先がない」

    「今さら遅い」

    銀行で、

    NISAで損した人の話を聞いたらしい。

    それが怖くて、

    口座も使っていない。

    でも、

    7年は平等に流れた。

    僕にも、

    親にも。

    もしあの時、

    一緒に始めていたら。

    同じ時間が積み上がっていた。

    遅いんじゃない。

    やらなかっただけだ。

    あの43,000円は、

    金額以上の意味があった。

    お金が増えたんじゃない。

    “覚悟”が増えた。

    怖いからやらないのか。

    怖くても続けるのか。

    差はそこだけだった。

    投資は、

    一発当てるものじゃない。

    積み上げるものだ。

    半年に一度の43,000円は、

    僕に教えてくれた。

    未来は、

    待つものじゃない。

    作るものだ。

    あの配当金は、

    ただの現金じゃない。

    あれは、

    僕の人生で初めて受け取った

    「心の配当金」だった。

  • [第15話]この480万円はお金じゃない。息子たちへ、本気で信じて託す

    この文章は

    読者へ、じゃない。

    今16歳の息子へ

    そして15歳の息子へ

    お父さんから、

    本気の話だ。

    今、君たち名義で

    積み上がっているお金がある。

    ジュニアNISAで積み上げてきた分。

    元本は240万円。

    今の評価額は、約480万円。

    倍になっている。

    25歳になる頃、

    どうなっているか。

    お父さんも正直、楽しみにしている。

    5年前から、

    毎年お正月に話してきただろう。

    「今年はどれくらい増えたか」

    「やっているのは株式投資だ」

    「全世界に分散している」

    「まずは収入の10分の1を貯金しろ」

    あの頃は、

    正直よく分かっていなかったと思う。

    今も、

    たぶんピンときていないだろう。

    それでいい。

    すぐ理解しなくていい。

    お父さんが伝えたかったのは、

    テクニックじゃない。

    姿勢だ。

    派手じゃなくていい。

    一発逆転じゃなくていい。

    積み上げること。

    続けること。

    でもな、

    これは魔法じゃない。

    楽して増えた金じゃない。

    ゼロから始めた。

    特別な才能はない。

    自営業17年。

    退職金もない。

    保証もない。

    景気に振り回され、

    不安な夜もあった。

    相場が下がるたびに、

    正直、心はザワついた。

    「やめようかな」

    そう思った日も一度や二度じゃない。

    でも、

    やめなかった。

    怖くても、

    続けた。

    それだけだ。

    この480万円の中には、

    数字以上のものが詰まっている。

    我慢した日。

    欲を抑えた瞬間。

    遊びたい気持ちを飲み込んだ夜。

    自分に言い聞かせた朝。

    全部だ。

    だから簡単じゃない。

    本当は、

    自分に使いたい気持ちだってある。

    老後だって不安だ。

    正直に言う。

    怖い。

    それでも積み上げているのは、

    君たちが、

    まだ何者でもない今、

    一番エネルギーがある時期に、

    選択肢を持っていてほしいからだ。

    このお金は、

    安心のためじゃない。

    挑戦のためだ。

    成功しろとは言わない。

    大きくなれとも言わない。

    でも、

    挑戦だけはやめるな。

    失敗してもいい。

    転んでもいい。

    遠回りしてもいい。

    そのための土台を、

    お父さんは作っている。

    制度もある。

    税金もある。

    簡単に全部ポンと渡せるわけじゃない。

    ちゃんとルールの中で、

    一番いい形で託す。

    でも、

    気持ちはもう決まっている。

    これは、

    君たちの未来のために積み上げた金だ。

    どう使うかは、

    任せる。

    自分で挑戦するのもいい。

    そのまま積み立てるのもいい。

    思いきり遊びに使うのもいい。

    お父さんは、

    君たちを信じている。

    ずっと背中は見せてきた。

    楽な道ばかり選んでこなかったことも、

    逃げずに積み上げてきたことも、

    近くで見てきただろう。

    だから大丈夫だ。

    君たちは、

    ちゃんと考えられる人間になる。

    お金に振り回される人間にはならない。

    人を裏切るような使い方もしない。

    お父さんは、

    そう信じている。

    信じているからこそ、

    託す。

    縛らない。

    条件もつけない。

    それが、

    お父さんの覚悟だ。

    もし、

    いつかこの文章を読む日が来たら、

    思い出してほしい。

    この480万円は、

    ただの数字じゃない。

    お父さんの時間であり、

    覚悟であり、

    そして信頼だ。

    お父さんは、

    君たちを信じている。

    未来を信じている。

    だから今日も、

    積み上げている。

  • [第14話]老後の不安よりも、可能性を渡したいと思った日

    誰かに渡すために増やしている。

    そう言葉にしたあと、

    じゃあ、

    本当に渡せるのか?

    と、自分に問いかけた。

    きれいごとじゃない。

    実際に、

    手放せるのか。

    増えた資産は、

    ただの数字じゃない。

    同時に、

    時間でもある。

    我慢した日々。

    不安に耐えた夜。

    欲を抑えた瞬間。

    画面を閉じたあの夜も、

    何度も自分を納得させた朝も、

    全部、そこに詰まっている。

    それを、

    そっくりそのまま渡す。

    簡単なことじゃない。

    正直に言えば、

    迷いはある。

    「自分のために使ってもいいんじゃないか」

    そんな声も、ちゃんとある。

    老後だって、

    どうなるか分からない。

    自営業だ。

    保証はない。

    強がってはいるけど、

    不安がゼロなわけじゃない。

    それでも、

    僕は考えた。

    一番エネルギーがある時期って、

    いつだろう。

    一番挑戦できる時期って、

    いつだろう。

    守りに入ってからより、

    まだ何者でもないときの方が、

    お金は、

    何倍も力になるんじゃないか。

    たぶん僕は、

    若い頃に余裕がなかった。

    挑戦する前に、

    まず生活を守ることを考えていた。

    失敗できない状況で、

    無難な選択を重ねてきた。

    それが間違いだったとは思わない。

    でも、

    もしあのとき、

    「失敗しても大丈夫だ」と思えるお金があったら、

    違う景色も見られたかもしれない。

    だから僕は、

    あるタイミングで、

    まとめて渡そうと思っている。

    小出しじゃなく。

    条件付きでもなく。

    「好きに使え」と。

    うまくいけば、それでいい。

    失敗しても、それでいい。

    遠回りも、無駄も、

    その人の人生だ。

    これは、

    僕の考え方。

    正解なんてない。

    もっと堅実な方法もあるだろう。

    段階的に渡す人もいるだろう。

    そもそも、

    渡さないという選択もある。

    でも僕は、

    “選択肢”を渡したいと思った。

    安心じゃなく、

    可能性を。

    守りじゃなく、

    挑戦を。

    そのために、

    今日も積み上げている。

    みんななら、

    どうするだろう。

    守る?

    分ける?

    それとも、

    自分で使い切る?

    投資のゴールは、

    人それぞれでいい。

    でも僕は、

    「渡す」と決めた。

  • [第13話]不安から始まった投資が、“誰かに渡すための資産”へ変わった日

    資産が増え始めて、

    ようやく落ち着いてきた頃。

    ふと、思った。

    ――俺、なんで増やしてるんだろう。

    正直に言えば、

    減るのが怖いから始めた。

    将来が不安だった。

    自営業は、

    いいときはいい。

    でも止まれば、一気に止まる。

    保証も、退職金もない。

    だから、

    「お金に働いてもらう」なんて

    少しかっこいい言葉を使いながら、

    本音はただの不安だった。

    老後のため?

    もちろんある。

    安心のため?

    それも本当だ。

    でも、

    増え始めたときに湧いてきた感情は、

    安心だけじゃなかった。

    ――もっと増やせるんじゃないか。

    そんな欲も、ちゃんとあった。

    きれいな投資家じゃない。

    揺れるし、

    欲も出るし、

    怖くもなる。

    それでも続けてきた。

    暴落のときも、

    戻り始めたときも、

    ルールの中で踏みとどまった。

    そこでやっと、

    考える余裕ができた。

    増やすことは、

    目的じゃない。

    手段だ。

    じゃあ、何のための手段なんだ?

    考えてみると、

    一つの言葉に行き着いた。

    “選択肢”。

    嫌なことを、

    お金のためだけに我慢しなくていい。

    体を壊してまで、

    無理をしなくていい。

    挑戦したいと思ったとき、

    「今は無理だ」と飲み込まなくていい。

    それは、

    守りのためだけじゃない。

    攻めるための余裕だ。

    投資は、

    お金を増やすゲームじゃない。

    未来の選択肢を増やす作業なんだ。

    そして、もう一つ。

    増えた数字を見ながら、

    ふと思った。

    これ、

    全部、自分で使い切るのか?

    そこに、少し違和感があった。

    自分の安心のためだけに

    増やしているんだとしたら、

    どこかで止まる気がした。

    でも、

    いつか誰かに渡すものだとしたら。

    守るためじゃなく、

    可能性を広げるために渡すのだとしたら。

    この積み上げは、

    ただの資産じゃなくなる。

    そう思ったとき、

    ようやく腑に落ちた。

    増やす理由は、

    不安から始まった。

    でも、

    今は少し違う。

    いつか、

    誰かに選択肢を渡すため。

    そのために、

    今日も積み上げている。

  • [第12話]資産が増えたとき、人はまた迷う ― 売りたい衝動と向き合った日

    コロナショックから少し時間が経った。

    相場はゆっくりと戻り始めた。

    評価損だった銘柄が、

    気づけばプラスに変わっている。

    あれだけ赤かった画面が、

    少しずつ緑に染まっていく。

    嬉しかった。

    正直に言うと、

    少し誇らしかった。

    「ほら、やっぱり持っててよかった」

    そんな声が心の中に出てきた。

    でも同時に、

    別の感情も顔を出す。

    ――今、売った方がいいんじゃないか?

    ――もう十分じゃないか?

    増え始めると、

    人はまた揺れる。

    恐怖とは違う。

    今度は“欲”だ。

    もっと増えるかもしれない。

    でも、減るかもしれない。

    利益が出ると、

    それを失う怖さも生まれる。

    暴落のときよりも、

    静かで、やっかいな揺れだった。

    このとき、僕は改めて思い出した。

    自分のルール。

    余裕資金でやる。

    現金は半分以上残す。

    旧つみたてNISAは止めない。

    毎月33,333円。

    あのとき決めたルールは、

    暴落のためだけのものじゃなかった。

    順調なときのためのものでもあった。

    そして僕は、

    何もしないという選択をした。

    売らない。

    増やしすぎない。

    淡々と続ける。

    画面を開く回数も減らした。

    毎日の株価チェックをやめた。

    やることはもう決まっている。

    考えすぎない。

    ルールの中で動く。

    それだけだ。

    この頃から、

    投資は刺激ではなくなった。

    ゲームでもなくなった。

    生活の一部になった。

    歯磨きみたいなものだ。

    やらないと気持ち悪い。

    でも、やっても興奮しない。

    ただ、積み上がる。

    ここでようやく、

    僕は気づき始めていた。

    投資は「勝つこと」じゃない。

    続けることなんだと。

    そして、

    増え始めたこの時期に

    もうひとつ思ったことがある。

    “このお金は、どこへ向かうんだろう?”

    まだはっきりとは言葉にできなかった。

    でも、

    増やす理由を考え始めたのは

    この頃だった。

  • [第11話]恐怖の中で僕は買った―コロナ暴落がくれた“自分で決める力”

    コロナショックの最中。

    相場はまだ不安定だった。

    上がったと思えば、また下がる。

    ニュースは毎日、不安を煽る。

    でも、ひとつだけ変わったことがあった。

    僕の心だ。

    あれだけ怖かったのに、

    ある日、ふと思った。

    「安いな」

    前なら、

    下がる=恐怖だった。

    でもこの頃から、

    下がる=チャンス

    に少しずつ変わっていった。

    もちろん、強がりじゃない。

    不安はある。

    でも、パニックではない。

    ルールがあったからだ。

    余裕資金でやる。

    現金は半分以上残す。

    つみたてNISAでの積立は止めない。

    毎月33,333円。

    シンプルだけど、

    そのルールが僕を冷静にしてくれた。

    ――

    とはいえ、

    暴落直後にすぐ買い注文は出せなかった。

    まだ経験が浅かった。

    怖さは消えていなかった。

    でも、相場が少しずつ戻り始める中で、

    僕はある行動を始めた。

    「まだコロナ前の株価に戻っていない銘柄はどれだ?」

    日経平均が回復し始めても、

    株価が出遅れている企業を探し始めた。

    そして買い注文を出した。

    オリックス

    三菱UFJフィナンシャル・グループ

    伊藤忠商事

    KDDI

    高配当株。

    「安くなった優良企業を持つ」

    シンプルな戦略。

    でもこれは、

    誰かに言われて買ったわけじゃない。

    自分で考え、

    自分で決め、

    自分で買った。

    この瞬間、

    僕の中で何かが変わった。

    “買う経験”を積んだ。

    スキルが一段上がった感覚があった。

    恐怖の中で、

    初めて自分の意志で踏み出した。

    そして今。

    現在でもこの可愛い銘柄たちは、

    ポートフォリオ全体の含み益の中心になっている。

    でも一番の収穫は、

    利益じゃない。

    自分のルールの中で

    行動できたこと。

    投資で一番難しいのは、

    “正しいことを、続けること”。

    そしてもう一つ。

    “怖い中で、決断すること”。

    この経験で、

    僕の投資は

    「覚悟」から「習慣」に変わった。

    怖くなくなったわけじゃない。

    でも、

    揺れなくなった。

    ただ――

    このときの僕は、まだ知らなかった。

    順調に増え始めたとき、

    人はまた別の形で揺れるということを。

    市場はこれからも荒れる。

    暴落もまた来る。

    でも、もう知っている。

    やることは同じだ。

    続ける。

    そして、

    考えて、動く。

    それだけだ。

  • [第10話]コロナショック。資産も仕事も止まった、それでも積立を止めなかった理由

    投資を始めてしばらく経った頃。

    あの日は突然だった。

    ニュースが騒がしくなり始めた。

    コロナウイルス。

    都市封鎖。

    世界同時株安。

    最初は、どこか他人事だった。

    でも、数日後。

    証券口座を開いた瞬間、

    空気が変わった。

    数字が、明らかに違う。

    マイナス。

    それも、これまでとは桁が違う。

    数%じゃない。

    数十万単位で減っている。

    一瞬、思考が止まった。

    「え?」

    何度も更新する。

    変わらない。

    むしろ、下がる。

    テレビは不安を煽る。

    リーマンショック級。

    世界恐慌。

    経済停止。

    正直に言う。

    怖かった。

    本気で、やめようかと思った。

    今ならまだ傷は浅い。

    これ以上減る前に売るべきじゃないか?

    頭の中で声がする。

    「守れ」

    「逃げろ」

    「現金が一番安全だ」

    トイレに入るたび、株価をチェックした。

    当然、真っ赤だ。

    でも、もっと怖かったのは――

    相場だけじゃない。

    社会全体が止まった。

    経済が止まった。

    そして、

    僕の仕事も止まった。

    自営業には直撃だった。

    売上が読めない。

    入金が減る。

    先が見えない。

    貯金はある。

    でも、

    家族の生活はどうなる?

    この状況で、さらに投資を続ける?

    入ってこない現金。

    減っていく評価額。

    二重の恐怖だった。

    ――

    でも、今振り返ると

    僕はある意味、守られていた。

    当時の資産バランス。

    現金700万円。

    株式150万円。

    投資を始めたときに決めた

    「現金は半分以上残す」

    というルール。

    そして今は、

    「最低1000万円は現金で残す」

    これが大きかった。

    もしフルポジションだったら。

    もし余裕資金を超えていたら。

    あの精神状態で、

    積立を続けられただろうか。

    たまたまだったのかもしれない。

    でも、

    勉強して決めたルールが

    僕を支えていた。

    点だった知識が、

    この瞬間、線になった。

    ――

    それでも怖かった。

    夜、眠れない日もあった。

    朝起きて、まず口座を開く。

    また減っている。

    仕事中も、どこか落ち着かない。

    それでも――

    積立は止めなかった。

    むしろ、こう思った。

    「同じ商品が安くなっている」

    怖い。

    でも、逃げない。

    続ける。

    それだけを決めた。

    数ヶ月後。

    相場は少しずつ戻り始めた。

    あれだけ真っ赤だった画面が、

    徐々に色を変えていく。

    あのとき、売っていたら。

    あのとき、積立を止めていたら。

    今の自分はいない。

    コロナショックで学んだこと。

    投資は、知識の勝負じゃない。

    “覚悟”の勝負だ。

    そしてもう一つ。

    このコロナショックは、

    僕の投資人生の中で

    確実に“スキルが上がった期間”だった。

    暴落の相場に居合わせるのと、

    外から眺めているのとでは、

    天と地の差がある。

    あの恐怖の中で続けた経験が、

    僕の投資の土台になった。

    あの日から、

    僕は本当の意味で

    「市場の中にいる人間」になった。

    そして最後に、これだけは強く言いたい。

    これから投資を始める人へ。

    許容範囲を超えるな。

    余裕資金を超えた瞬間、

    それは投資じゃない。

    ギャンブルになる。

  • [第9話]初めての含み損。理屈が通用しなかった日

    初めて買った。

    「よし、これで俺も投資家だ」

    そう思った数日後――

    下がった。

    評価額がマイナスになった。

    たった数%。

    でも、心は大きく揺れた。

    「やっぱり早すぎたか?」

    「もっと待てばよかった?」

    「今やめた方がいい?」

    頭では分かっている。

    長期。分散。積立。

    勉強したはずだ。

    下落は“普通”だと知っていた。

    でも、

    実際に自分のお金が減ると、

    理屈は簡単に吹き飛ぶ。

    800万円あっても、

    マイナス表示は普通に怖い。

    スマホを何度も開く。

    評価額を確認する。

    下がってる。

    また見る。

    また下がってる。

    そのたびに、心も少し下がる。

    そこで気づいた。

    僕はまだ、

    「値動き」に支配されている。

    投資を始めたつもりだった。

    でも、本当の勝負はここからだった。

    やめるのは簡単。

    積立を止めるのも簡単。

    でも、あのとき思い出した。

    1年間、勉強した理由。

    無知でいるのが怖かったからだ。

    値動きが怖いから始めたんじゃない。

    未来を変えたいから始めた。

    だから――

    何もしなかった。

    売らなかった。

    止めなかった。

    ただ、続けた。

    そして気づいた。

    投資の一番の敵は、

    相場じゃない。

    自分の感情だ。

    ここで逃げなかったことが、

    後の自分を助ける。

    あの日の「続けた」は、

    未来の自分への投資だった。