初めて買った。
「よし、これで俺も投資家だ」
そう思った数日後――
下がった。
評価額がマイナスになった。
たった数%。
でも、心は大きく揺れた。
「やっぱり早すぎたか?」
「もっと待てばよかった?」
「今やめた方がいい?」
頭では分かっている。
長期。分散。積立。
勉強したはずだ。
下落は“普通”だと知っていた。
でも、
実際に自分のお金が減ると、
理屈は簡単に吹き飛ぶ。
800万円あっても、
マイナス表示は普通に怖い。
スマホを何度も開く。
評価額を確認する。
下がってる。
また見る。
また下がってる。
そのたびに、心も少し下がる。
そこで気づいた。
僕はまだ、
「値動き」に支配されている。
投資を始めたつもりだった。
でも、本当の勝負はここからだった。
やめるのは簡単。
積立を止めるのも簡単。
でも、あのとき思い出した。
1年間、勉強した理由。
無知でいるのが怖かったからだ。
値動きが怖いから始めたんじゃない。
未来を変えたいから始めた。
だから――
何もしなかった。
売らなかった。
止めなかった。
ただ、続けた。
そして気づいた。
投資の一番の敵は、
相場じゃない。
自分の感情だ。
ここで逃げなかったことが、
後の自分を助ける。
あの日の「続けた」は、
未来の自分への投資だった。
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