誰かに渡すために増やしている。
そう言葉にしたあと、
じゃあ、
本当に渡せるのか?
と、自分に問いかけた。
きれいごとじゃない。
実際に、
手放せるのか。
増えた資産は、
ただの数字じゃない。
同時に、
時間でもある。
我慢した日々。
不安に耐えた夜。
欲を抑えた瞬間。
画面を閉じたあの夜も、
何度も自分を納得させた朝も、
全部、そこに詰まっている。
それを、
そっくりそのまま渡す。
簡単なことじゃない。
正直に言えば、
迷いはある。
「自分のために使ってもいいんじゃないか」
そんな声も、ちゃんとある。
老後だって、
どうなるか分からない。
自営業だ。
保証はない。
強がってはいるけど、
不安がゼロなわけじゃない。
それでも、
僕は考えた。
一番エネルギーがある時期って、
いつだろう。
一番挑戦できる時期って、
いつだろう。
守りに入ってからより、
まだ何者でもないときの方が、
お金は、
何倍も力になるんじゃないか。
たぶん僕は、
若い頃に余裕がなかった。
挑戦する前に、
まず生活を守ることを考えていた。
失敗できない状況で、
無難な選択を重ねてきた。
それが間違いだったとは思わない。
でも、
もしあのとき、
「失敗しても大丈夫だ」と思えるお金があったら、
違う景色も見られたかもしれない。
だから僕は、
あるタイミングで、
まとめて渡そうと思っている。
小出しじゃなく。
条件付きでもなく。
「好きに使え」と。
うまくいけば、それでいい。
失敗しても、それでいい。
遠回りも、無駄も、
その人の人生だ。
これは、
僕の考え方。
正解なんてない。
もっと堅実な方法もあるだろう。
段階的に渡す人もいるだろう。
そもそも、
渡さないという選択もある。
でも僕は、
“選択肢”を渡したいと思った。
安心じゃなく、
可能性を。
守りじゃなく、
挑戦を。
そのために、
今日も積み上げている。
みんななら、
どうするだろう。
守る?
分ける?
それとも、
自分で使い切る?
投資のゴールは、
人それぞれでいい。
でも僕は、
「渡す」と決めた。
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