[第14話]老後の不安よりも、可能性を渡したいと思った日

誰かに渡すために増やしている。

そう言葉にしたあと、

じゃあ、

本当に渡せるのか?

と、自分に問いかけた。

きれいごとじゃない。

実際に、

手放せるのか。

増えた資産は、

ただの数字じゃない。

同時に、

時間でもある。

我慢した日々。

不安に耐えた夜。

欲を抑えた瞬間。

画面を閉じたあの夜も、

何度も自分を納得させた朝も、

全部、そこに詰まっている。

それを、

そっくりそのまま渡す。

簡単なことじゃない。

正直に言えば、

迷いはある。

「自分のために使ってもいいんじゃないか」

そんな声も、ちゃんとある。

老後だって、

どうなるか分からない。

自営業だ。

保証はない。

強がってはいるけど、

不安がゼロなわけじゃない。

それでも、

僕は考えた。

一番エネルギーがある時期って、

いつだろう。

一番挑戦できる時期って、

いつだろう。

守りに入ってからより、

まだ何者でもないときの方が、

お金は、

何倍も力になるんじゃないか。

たぶん僕は、

若い頃に余裕がなかった。

挑戦する前に、

まず生活を守ることを考えていた。

失敗できない状況で、

無難な選択を重ねてきた。

それが間違いだったとは思わない。

でも、

もしあのとき、

「失敗しても大丈夫だ」と思えるお金があったら、

違う景色も見られたかもしれない。

だから僕は、

あるタイミングで、

まとめて渡そうと思っている。

小出しじゃなく。

条件付きでもなく。

「好きに使え」と。

うまくいけば、それでいい。

失敗しても、それでいい。

遠回りも、無駄も、

その人の人生だ。

これは、

僕の考え方。

正解なんてない。

もっと堅実な方法もあるだろう。

段階的に渡す人もいるだろう。

そもそも、

渡さないという選択もある。

でも僕は、

“選択肢”を渡したいと思った。

安心じゃなく、

可能性を。

守りじゃなく、

挑戦を。

そのために、

今日も積み上げている。

みんななら、

どうするだろう。

守る?

分ける?

それとも、

自分で使い切る?

投資のゴールは、

人それぞれでいい。

でも僕は、

「渡す」と決めた。

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