カテゴリー: 【40歳からの再出発、バイト日記】

【17年の自営業を経て、40歳で踏み出した新しい一歩。仕出し料理人としての誇りを胸に、大手カラオケチェーンでのバイト生活や、日々の気付きを等身大で綴ります。人生のリスタートを、ここから。】

  • 【40歳バイト日記】ブロッコリー欠品事件から考えた、接客の「正解」と「真心」

    【40歳バイト日記】ブロッコリー欠品事件から考えた、接客の「正解」と「真心」

    バイトを始めて1週間。

    ようやく足腰も現場の空気にも慣れてきました。1日8時間、しっかり働くリズムが体になじんできたところです。そんな中、昨日ちょっとした「事件」が起きました。

    1. 注文後に気づいた「ブロッコリーがない!」

    お客さんから、ポテト、チキン、ブロッコリーがセットになった注文が入りました。

    マニュアル通りに準備を進めていたのですが、途中でとんでもないことに気づきます。「ブロッコリーの在庫がない……」。

    上司も気づいてあたふたしていますが、すでにポテトは揚げ始めています。このままでは間に合わないと思い、私が直接お客さんのところへ説明に行くことにしました。

    2. お客さんの優しい対応と、現場の混乱

    「すみません、写真にあるブロッコリーが今、欠品しておりまして……」

    申し訳なさと共にお伝えすると、お客さんは嫌な顔ひとつせず「じゃあ代わりに何がつくの?」と、自然な流れで聞いてくれました。

    私はとっさに「少しサービスして、代わりのお品をお付けしますね」とお伝えし、注文をそのまま継続していただくことができました。厨房に戻って報告すると、上司は「入れるものなんてないし、どうしよう」と困り顔。結局、チキンを1個増やして対応することになりました。

    3. 上司からの「一言」への違和感

    商品を部屋へ運ぼうとしたとき、上司からこう言われました。

    「こういうサービスは普段はやっていないので、今回だけですよって一言添えておいて」

    正直、私は心の中で納得がいきませんでした。

    今回の欠品は、注文を受ける前に在庫を確認できていなかった「こちらのミス」です。それなのに、代わりの品を出すことを「特別な恩着せがましいサービス」のように伝えるのは、人としてどうなのだろう?と感じてしまったのです。

    4. 私が選んだ「自己判断」

    結局、私はお客さんの前でニコニコと接しながらも、上司に言われた「普段はやっていない」という一言は飲み込みました。

    欠品を伝えても快く許してくれ、そのまま待ってくれたお客さんに対して、非があるこちら側が余計な一言を添えるのは、せっかくの時間を台無しにする気がしたからです。上司も、そしてお客さんも、その後何も言わずにその日は終わりました。

    あなたなら、どうしますか?

    バイト1週間目の新人が、上司の指示を無視して自己判断で接客する。

    これは、仕事としては「正解」ではないのかもしれません。でも、マニュアルや効率を優先するあまり、目の前のお客さんへの感謝や誠実さを忘れてしまうのは、どうしても嫌だったのです。

    「郷に入っては郷に従え」という言葉もありますが、接客における「真心」の線引きはどこにあるのでしょうか。

    もしあなたが私の立場だったら、上司の指示通りに一言添えますか?

    それとも、自分の感覚を信じて黙って商品を渡しますか?

    バイト生活はまだ始まったばかりですが、こうした小さな葛藤を繰り返しながら、自分なりの「良い仕事」を見つけていきたいと思っています。

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  • 【40歳バイト日記】うまくいった日と、捨てた焼き鳥

    【40歳バイト日記】うまくいった日と、捨てた焼き鳥

    今日は、ちょっとだけうまくいった。

    バイト4日目。

    昨日までとは違った。

    動きが少しわかる。

    次に何をすればいいか、ほんの少し見える。

    声も出せた。

    社員さんとも自然に話せた。

    「頑張ってますね」

    その一言が、地味にうれしかった。

    今日、60代後半くらいのお客さんの部屋に入ったときのこと。

    デンモクの使い方がわからない様子だった。

    「民謡歌いたいんだけど、どこにあるかわかる?」

    正直、僕はカラオケにあまり行かない。

    民謡なんて歌ったこともない。

    しかも機種はジョイサウンド。

    探し方が正解だったのかもわからない。

    本当は一度報告すべきだったのかもしれない。

    それでも、とりあえず必死に探した。

    曲名検索。

    ジャンル検索。

    思いつく限り触ってみる。

    数分間、部屋の中で一緒に画面を見つめた。

    結局、見つからなかった。

    「ごめんなさい、ちょっと見つからなくて…」

    そう言うと、

    「いいよいいよ、ありがとうお兄ちゃん」

    そう言ってくれた。

    その一言で、救われた。

    僕の働いているカラオケは持ち込みOK。

    テーブルの上には焼き鳥が山ほどあった。

    「これ、1串あげるよ」

    とっさに断った。

    「いや、大丈夫です」

    でも何度も勧められた。

    断り続けると、

    なんとなく空気が変わりそうだった。

    じゃあ、ありがとうございます。

    受け取った。

    でもその場では食べなかった。

    仕事中だし、

    さすがにまずいかなと思った。

    そのまま持ち帰り、社員さんに聞いた。

    「こういう場合ってどうすればいいですか?」

    答えはシンプルだった。

    「残念だけど、破棄してください。」

    会社のルールだから仕方ない。

    頭ではわかっている。

    でも、正直つらかった。

    僕は食品ロスが大嫌いだ。

    以前、仕出しの仕事をしていたからなおさらだ。

    食べられるものを捨てるのが、どうしても嫌だ。

    本音を言えば、

    あの部屋で「うめー!」って言いながら

    くれた本人の前で食べたほうがよかったのかもしれない。

    最初から、もっと強く断るべきだったのか。

    それとも、会社のルールを優先するのが正解なのか。

    今日はうまくいった日だった。

    動けた。

    褒められた。

    昨日より確実に前に進んだ。

    それでも最後に、

    焼き鳥をゴミ箱に入れた瞬間が、頭に残っている。

    仕事って、

    自分の正義だけでは動けない。

    でも、人としての感覚も失いたくない。

    明日はもう少し、

    うまく立ち回れるだろうか。

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  • 【40歳バイト日記】無職の2週間

    今日、ふと思った。

    17年間働き続けた時間よりも、

    無職だった2週間の方がきつかった。

    これ、たぶんあまり共感されないかもしれない。

    「働いてる方が大変でしょ」って言われると思う。

    でも僕にとっては違った。

    朝起きても、行く場所がない。

    電話も鳴らない。

    誰からも必要とされていないような感覚。

    あの2週間は、本当に長かった。

    17年間、自営業で働いてきた。

    休みはあっても、完全に“無”になることはなかった。

    仕込みがある。

    注文がある。

    考えることがある。

    常に誰かのために動いていた。

    でも店を貸しに出してからは、何もない。

    やることがないって、こんなにきついんだと思った。

    自由なはずなのに、全然楽しくない。

    時間はあるのに、落ち着かない。

    何をしていいのか分からない。

    テレビを見ても頭に入らない。

    スマホを触っても虚しい。

    「俺、社会と切り離されたのかな」

    そんな感覚になった。

    あのとき初めて、気づいたことがある。

    働くって、お金のためだけじゃない。

    社会とつながっている感覚。

    誰かの役に立っている感覚。

    それがあるから、踏ん張れていたんだと。

    バイト2日目が終わって、

    「ちゃんと働いてるな」と思えた瞬間、

    ちょっとだけ安心した。

    ああ、自分はまだ社会の一部なんだって。

    無職の2週間は、正直きつかった。

    でも、あの時間があったから、

    働けることのありがたさが分かった。

    宝物…とまでは言わない。

    正直、あまり戻りたくない時間だ。

    でも、あの2週間がなかったら、

    今のこの気持ちはなかったと思う。

    きっと人は、

    失って初めて気づく。

    当たり前だったものの価値に。

    もし今、仕事がしんどい人がいたら、

    一度だけ考えてみてほしい。

    その場所があること自体、

    実はすごいことかもしれない。

    そしてもし、今無職で苦しい人がいるなら、

    それはあなたが弱いからじゃない。

    社会とつながりたいと思える、

    真面目な人だからだと思う。

    あの2週間は、きつかった。

    でも確実に、僕の中で何かを変えた時間だった。

    あなたにとって、

    「あの時間があったから」と言える瞬間はありますか?

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  • 【バイト日記】17年続けた自営業、仕事が訳があり終わり40歳バイトの面接

    【バイト日記】17年続けた自営業、仕事が訳があり終わり40歳バイトの面接

    今日、バイト2日目が終わった。

    帰り道、ふと「俺、ちゃんと働いてるな」と思った。

    17年間、自営業だった。

    両親と続けた仕出しのお店。

    でも両親の年齢的な引退もあって、店を貸しに出した。

    その瞬間から、僕は無職になった。

    40歳、肩書きなし。

    正直、あのときは少し怖かった。

    朝起きても「行く場所」がない感覚。

    スマホを見ても、誰からも仕事の連絡は来ない。

    自分の存在が、急に軽くなったような気がした。

    そこから面接を受けて、今は某カラオケ店で働いている。

    面接なんて、中学か高1ぶりじゃないかと思う。

    履歴書を書く手が、何度も止まった。

    志望動機?

    自己PR?

    17年間、自分で商売を回してきた人間だ。

    誰かに評価される側になるのは、想像以上にしんどい。

    スーツを着て、年下の店長に頭を下げる。

    これが地味にきつかった。

    プライドなのか、ただ慣れていないだけなのか。

    「お願いします」と言いながら、

    心のどこかで自分の過去と比べていた。

    それでも、無職になって2週間で動いた。

    履歴書を書いて、写真を撮りに行った。

    その証明写真が1000円だったのも、ちょっと衝撃だった。

    高校の頃は500円くらいだった気がする。

    枚数も選べず1000円。

    働く前からお金がかかる。

    人材不足ってよく聞くけど、

    実際に働くまでのハードルは意外と高い。

    履歴書を書く時間。

    写真代。

    面接の緊張。

    簡単じゃない。

    でも今日、バイト2日目を終えて思った。

    楽しい。

    まだ覚えることだらけ。

    年下の先輩に教えてもらいながら動く。

    最初は悔しさもあった。

    17年間、自分が判断する立場だったから。

    でも今は教えてもらう立場。

    それが不思議と嫌じゃない。

    「お願いします」と素直に言えること。

    一つずつ覚えていく感覚。

    40歳で新人。

    ちょっと恥ずかしいけど、ちょっと新鮮だ。

    店主という肩書きがなくなったとき、

    自分の価値までなくなった気がした。

    でも違った。

    肩書きがなくても、体は動く。

    頭も回る。

    ちゃんと働ける。

    ゼロからでも、また始められる。

    それが今日、一番の発見だった。

    面接は辛い。

    履歴書も辛い。

    年下に頭を下げるのも、正直きつい。

    でも。

    動いた自分は、少し誇らしい。

    無職になってから、ただ落ち込むこともできた。

    でも動いた。

    その事実だけは、胸を張っていいと思う。

    40歳でも、再スタートは切れる。

    もし今、何かを始めようとして足が止まっているなら、

    完璧じゃなくていい。

    一歩でいい。

    その一歩を踏み出した自分を、ちゃんと認めてあげていますか?

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