カラオケ店で働き始めて3日目。
正直、まだ何もできない。
怒られたわけじゃない。
ミスをしたわけでもない。
でも、「何もできない自分」がきつい。
受付に立っても、
先輩の動きを目で追うだけ。
声を出すタイミングも、
フォローの仕方もわからない。
今日、高校生のカップルが来店した。
受付は、面接も担当してくれた上司。
この店舗で2番目に偉い人だ。
真面目で、固くて、マニュアル通り。
仕事はきっちりしている。
でも、柔らかさはない。
最近のカラオケは、
免許証の裏の番号確認や
アプリ登録が必要らしい。
正直、僕もまだ仕組みを完璧には理解していない。
高校生の2人は、
「え、裏の番号まで?」という顔。
苦笑いというより、呆れたような笑いだった。
「そこまで見せなきゃダメなんですか?」
その気持ち、わからなくもない。
自分が高校生でも、
免許証の裏番号まで確認されるのは少し嫌だと思う。
上司は淡々と、
「こちらがないとご案内できません。」
マニュアル通りの説明。
間違ってはいない。
でも、温度はなかった。
空気は少しずつ悪くなり、
最後に高校生の一人が、
「お前は北朝鮮か!」
と吐き捨てて店を出ていった。
言い方はよくない。
それは間違いない。
でも、もし自分が対応していたらどうだっただろう。
「ごめんね、これ全国チェーンの決まりなんだ。
ちょっと面倒だよね。でもこれがないと入れなくて…」
そう一言あったら、
あそこまで空気は尖らなかったんじゃないか。
マニュアルは大事だ。
でも、人間味も大事なんじゃないか。
まだ3日目の新人が、
偉そうなことは言えない。
それでも、今日の出来事は頭に残っている。
もし自分があの高校生の立場だったら、
どんな言い方をされたら納得できただろう。
そして、もし自分が店側なら、
どこまで寄り添うだろう。
あなたなら、どちらの立場でどう動きますか。
僕はまだ何もできない。
でも、
「どうありたいか」だけは忘れたくない。
明日は、
もう少しだけ、自分の言葉で話してみようと思う。
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